「Voigtländer NOKTON 35mm F1.5 Vintage Line Aspherical TypeⅠ」は、開放f値1.5の明るさを持ちながら、軽量・コンパクトに設計されています。ライカSummicronのサイズ・重量に、Summiluxのスペックを詰め込んだような印象です。Web上にはあまりレビューや情報がなく、地味なレンズではありますが、私は隠れた名玉だと思っています。焦点距離は35mmで非常に扱いやすく、多くの方々にオススメしたいレンズです。
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スペック
今回は、同じ焦点距離のコシナのレンズ「Voigtländer NOKTON Classic 35mm F1.4 Ⅱ MC」との比較で下表にまとめました。
| 名称 | Voigtländer NOKTON Vintage Line 35mm F1.5 Aspherical TypeⅠ ( 当該品 ) | Voigtländer NOKTON Classic 35mm F1.4 Ⅱ MC ( 比較品 ) |
| メーカー | コシナ | ← |
| マウント | バヨネット式 VMマウント (ライカMマウント) | ← |
| フルサイズ対応 | ◯ | ← |
| 焦点距離 | 35 mm | ← |
| 絞り値 | 1.5 〜 16 | 1.4 〜16 |
| 絞り羽根枚数 | 12枚 | 10枚 |
| レンズ構成 | 6群9枚 | 6群8枚 |
| 最短撮影距離 | 0.5 m | 0.7 m |
| 最大撮影倍率 | 情報なし | ← |
| フィルター径 | 39 mm | 43 mm |
| オートフォーカス | なし | ← |
| 手ブレ補正 | なし | ← |
| 外装材質 | 金属 | ← |
| 絞りリング | あり | ← |
| サイズ ( 直径 × 長さ ) | 53 × 36 mm | 55.0 × 28.5 mm |
| 重量 | 188 g | 189 g |
| カラーバリエーション | ブラック / シルバー | ブラックのみ |
| 新品価格 | 80,190 円 〜 | 57,930円 〜 (MC) 61,920円 〜 (SC) |
| 中古価格 | 情報なし | 情報なし (MC) 60,000円 〜 (SC) |
※当該品が比較品よりも優れる項目を青字で、劣る項目を赤字で記載しています。
両者とも「コシナ」製の「Voigtländer」ブランドによるライカMマウント用レンズです。焦点距離や絞り値、サイズ・重量など、多くの項目が似通っていますが、比較品がオールドレンズらしい写りをするのに対し、当該レンズはしっかりと堅実な描写を見せるのが特徴です。6群9枚構成のレンズのうち、贅沢に非球面レンズを2枚採用しており、光学性能は極めて優秀ですが、その分価格は約3万円ほど高くなっています。ブラックとシルバーの2色展開なのも嬉しいポイントですね。
外観・デザイン
Coming soon…
操作性・使いやすさ
- アルミ製で、手に取ると思ったより軽く感じます。
- 絞りリングは軽やかに回り、クリックは1/2段刻み。
- ヘリコイドは適度なトルク感があります。
- 距離指標は見やすく、フォーカスレバーを真下にした時に1mになります。
作例
以下、NIKON ZfとVoigtländer NOKTON 35mm F1.5 Vintage Line Aspherical TypeⅠの組み合わせで撮った写真です。 (申し訳ありません、f値の記録を失念しておりました)

ピント面はシャープで、アウトフォーカスにかけてなだらかにボケていきます。柔らかく、まろやかなボケがとても綺麗です。

ボケは特に変わったクセもなく、表現する上で扱いやすいと思います。

ここまでの3枚はいずれも開放で撮っていますが、周辺光量落ちはあるが、気になるほどではない。むしろ「味のある写り」として受け止めている。


f2.8まで絞った一枚。周辺の色被りや光量落ちは特になさそうです。

素直な写りをするので、風景撮りにも使えると思います。

色が偏ることがなく、ありのままを撮るのに適しています。絞り値で大きく描写が変わることはなく、被写界深度の調整の為だけに絞り値を選択すれば良い、と言えそうです。

絞れば四隅までしっかりシャープに写し込んでくれる優等生です。

35mmと汎用的な焦点距離なので、スナップ撮影のお供に最適です。

私の場合、Zfに付けっぱなしになりそうです。

優しくボケるので、モノクロ写真でも重宝します。

開放f値1.5と非常に明るいレンズなので、夜の街スナップでも重宝します。以下、2枚とも夜に撮った写真です。


まとめ
① 開放f値1.5の豊かな表現力。
やわらかく、やさしいボケ味を堪能することができます。
② まるでSummicronを思わせる、クラシカルな佇まい。
クラシカルな見た目がたまりません。
Summicronのサイズ・重量に、
Summiluxのスペックを詰め込んだようなレンズです。
③ 指先が嬉しくなる操作感。
絞りリングの心地よいクリック感、
レバー付きフォーカスリングの適度なトルク感、
いずれも心地よい。
④ コンパクトでどのボディにもよく似合う。
Zfに合わせて選んだレンズです。
サイズ感・デザイン性も抜群で、
この上ない組み合わせだと思っています。
小さいレンズですので、SIGMA fp、Nikon Zfcとの相性も良いです。
Z6 IIと組み合わせても悪くないです。
⑤ 値段は少し高め。
サイズ・重量と光学性能を両立させており、
値段は少し高めですが、
それに見合った描写性能を見せてくれます。
本レンズが期待以上に良かったので、Vintage Lineの28mmや50mmが気になるようになってしまいました。ひょっとするとダウンサイジングの為、いま手元にある「Voigtländer NOKTON 50mm F1.2 Aspherical Ⅱ」をVintage Lineと入れ替えるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。この記事が、レンズ選びで悩む方々にとって、少しでもお役に立てば嬉しいです。
今回、比較品として取り上げたVoigtländer NOKTON Classic 35mm F1.4 Ⅱ MCが気になる方は、こちらの記事もご覧下さい。
参考
今回ご紹介しましたVoigtländer NOKTON 35mm F1.5 Vintage Line Aspherical TypeⅠのリンクを以下に貼っておきます。気になる方は、是非チェックしてみて下さいね。
マウントアダプタをご検討の方には、日本メーカー品の新品購入を強く推奨します。
以下に推奨品のリンクを貼っておきます。ライカMマウントから、各社マウントに変換してくれます。Voigtländerのマウントアダプターはヘリコイド付きで、最短撮影距離を縮めることができます。
ライカ Lマウント用です。 (メーカー:宮本製作所、ブランド:RAYQUAL)
ソニー Eマウント用です。 (メーカー:コシナ、ブランド:Voigtländer)
ニコン Zマウント用です。 (メーカー:コシナ、ブランド:Voigtländer)
富士フイルム Xマウント用です。 (メーカー:コシナ、ブランド:Voigtländer)


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