ニコン純正の広角ズームレンズが欲しい——そう思ったとき、候補に挙がるのが「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」ではないでしょうか。ニコンのラインナップには他にも、「14-24mm f/2.8 S」、「17-28mm f/2.8」があり、どれを選ぶべきか、悩ましいところです。
この3本の中で、軽さ・フィルター対応・価格のバランスに優れるのが14-30mm F4だと思います。旅行や風景撮影、スナップ用途にぴったりで、持ち歩きやすさは抜群です。
この記事では実際の使用感や描写、他レンズとの違いについて詳しくレビューしていきます。
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スペック
今回は、画角の近いニコン純正レンズ「NIKKOR Z 17-27mm f2.8」との比較で、下表にまとめてみました。
| 名称 | NIKKOR Z 14-30mm f4 S ( 当該品 ) | NIKKOR Z 17-28mm f2.8 ( 比較品 ) |
| メーカー | ニコン | ← |
| マウント | ニコン Zマウント | ← |
| フルサイズ対応 | ○ | ← |
| 焦点距離 | 14〜30 mm | 17〜28 mm |
| 絞り値 | f 4 〜 22 | f 2.8 〜 22 |
| 絞り羽根枚数 | 7 枚 | 9 枚 |
| レンズ構成 | 12群14枚 | 11群13枚 |
| 最短撮影距離 | 0.28 m | 0.19m (焦点距離17mm) 0.23m (焦点距離20mm) 0.26m (焦点距離24mm) 0.26m (焦点距離28mm) |
| 最大撮影倍率 | 0.16 倍 | 0.19 倍 |
| フィルター径 | 82 mm | 67 mm |
| オートフォーカス | あり | ← |
| 手ブレ補正 | なし | ← |
| 外装材質 | 金属 + プラスチック | ← |
| 絞りリング | なし | ← |
| サイズ ( 直径 × 長さ ) | 89 × 85 mm | 75 × 101 mm |
| 重量 | 485 g | 450 g |
| 新品価格 | 151,000 〜 円 | 132,240 〜 円 |
| 中古価格 | 125,000 〜 円 | 120,000 〜 円 |
※当該品が比較品よりも優れる項目を青字で、劣る項目を赤字で記載しています。
サイズ、重量、価格の似通った両者。より広い画角をお求めの方は「NIKKOR Z 14-30mm f4 S」を、画角よりも明るさを優先したい方は「NIKKOR Z 17-28mm f2.8」を、選択されるのがよいでしょう。
広角域における焦点距離3mmの差は大きいです。取り込める画角は、前者114°に対し、後者1°で、10°の違いがあります。一般的に、広角レンズは風景撮影などで絞って使うことが多いので、私はNIKKOR Z 14-30mm f4 Sをオススメします。
また、広角域の画角と明るさどちらも譲れない方は、上記いずれでもなく、大三元レンズNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sの一択になります。ただ、その場合は約27万円と、倍近い価格になります。
外観・デザイン
では外観を見ていきましょう。

Zシリーズのレンズらしく、クセのないオーソドックスなデザイン。
Sライン共通の意匠で、可もなく不可もなく、落ち着いた佇まいです。
鏡筒には細かなシボ加工が施されており、手触りも上々。
「いいものを使っている」と感じられる、安心感のある質感です。
一方で、個性や遊び心は乏しく、
あっさりし過ぎていてさみしさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。

このレンズは沈胴式で、使用時には鏡筒が少し伸びます。広角端の14mmで、最も全長が長くなります。
操作性
NIKON Z6Ⅱにつけるとこんな感じです。

サイズ的も重量的にもボディーとのバランスが良く、非常に持ちやすいです。AF/MF切り替えスイッチが、レンズ根本の左側についています。ファンクションボタンは搭載されていません。

このレンズには花型のバヨネット式フードが付属しています。しっかりと装着できて着脱もスムーズです。フードはそれほどかさばりませんが、レンズの直径がより大きくなる為、収納時には少し気をつけたいところです。
Z6Ⅱのみならず、Z5や Z7Ⅱや、最近発売されたZ5Ⅱには、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sより、このレンズの方がバランスはいいと思います。

前から見るとこのような感じになります。このレンズは、NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 Sと異なり、レンズに直接フィルターをつけることができるのが嬉しいポイントです。(NIKKOR Z 14-24mm f2.8 Sは専用フードをつけた状態でないと、フィルターをつけることができません)

お次はZfcにつけてみました。いかがでしょう。かなり見た目はいいと感じました。若干フロントヘビーにはなりますが、両手で扱う分には、扱いにくさを感じる重量ではありません。

ZfcはAPS-Cセンサーを搭載していますので、このレンズをつけた時の焦点距離は、フルサイズ換算で21〜45mm相当と、非常に扱いやすい領域(準広角〜標準域)のレンズになります。

正面から見るとこのような感じになります。レンズの直径が大きい為、ほとんどボディーが見えません。
作例
以下、Z6ⅡにNIKKOR Z 14-30mm f4 Sをつけて撮った写真です。

広角端の14mmは伊達ではありません。奥行きや臨場感までしっかり描写してくれます。

開放f値は4ですが、主題と距離をとることで、背景をボカすことができます。
右上の玉ボケの形状はほぼ円形で、
「おおむね良し」といったところではないのではないでしょうか。

色はクセがなく、ありのままを表現してくれます。

夕空のグラデーションを美しく描写してくれています。橋上に並ぶ街灯は、綺麗な光芒になっています。(小さくて見にくく、申し訳ありません)

隅々までしっかり解像してくれるので、夜景撮りでも重宝します。
以下は、ZfcにNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sを装着して撮影した写真です。2023年8月、長崎県の軍艦島を訪れた際に、妻がこの組み合わせでスナップしました。軽量なセットのおかげで、街歩き感覚で軽快に撮り進めることができ、とても重宝しました。




まとめ
① Zシリーズらしいシンプルで落ち着いたデザイン。
② 沈胴式でロック機構はないが、使用上の問題はない。
③ 花型フードが付属しており、取り回しは良好。
④ 軽量でフィルター使用も可能。旅行や風景撮影にぴったり。
⑤ 純正レンズの中ではコストと性能のバランスが良い。
いかがでしたでしょうか。
この記事が、レンズ選びで悩む方々にとって、少しでもお役に立てば嬉しいです。
参考
今回、取り上げました「NIKKOR Z 14-30mm f4 S」のリンクを貼っておきます。
また、比較品として取り上げました「NIKKOR Z 17-28mm f2.8」のリンクも貼っておきます。
ぜひチェックしてみてくださいね。
その他、本記事内で触れた製品のリンクを、以下に貼っておきます。
気になるものがあれば、合わせてチェックしてみてくださいね。
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