2025年4月25日、ニコンより「Z5II」が発売されました。最新の画像処理エンジン「EXPEED7」に、被写体認識AFなど、これまで培ったきたZシリーズの技術が、コンパクトなボディーに詰め込まれています。
しかし、私はそれでも「Z6II」を推します。それは単に、私自身がZ6Ⅱユーザーだから贔屓目に見ている、というわけではありません。4年半使い続け、良いところも、悪いところも、全て分かった上で、なお推せると考えているからです。このカメラには、“型落ち”という言葉では片づけられない、完成された中級機としての美学があるのです。
本記事、その理由を詳しくご説明します。是非、最後までご覧いただければ幸いです。
スペック
「Z6Ⅱ」の主な製品仕様を下表にまとめました。比較品は、冒頭でも少しふ触れた「Z5Ⅱ」です。
| ニコン Z6Ⅱ (当該品) | ニコン Z5Ⅱ (比較品) | |
| マウント | ニコン Zマウント | ← |
| 画像処理エンジン | EXPEED6 | EXPEED7 |
| センサー (撮像素子) | フルサイズ ( 35.9 × 24.0 mm ) 裏面照射型CMOS | ← |
| 総画素数 | 2,528万 画素 | ← |
| 有効画素数 | 2,450万 画素 | ← |
| 撮影感度 | SO 100~51,200 ( 拡張:ISO 50〜204,800) | ← |
| 連写性能 (拡張) | 14 コマ/秒 | 15 コマ/秒 |
| シャッタースピード | 1/8,000 〜 30 秒 | ← |
| ファインダー | 369万ドット | ← |
| モニター | 3.2型 210万ドット チルト式 | ← ← バリアングル式 |
| バッテリー | EN-EL-15C | ← |
| 記録メディア スロット | XQDカード CFexpressカードTypeB SDカード SDHCカード SDXCカード ダブルスロット | ー ー SDカード SDHCカード SDXCカード ダブルスロット |
| サイズ (幅×高さ×奥行き) | 134 × 100.5 × 69.5 mm | 134 × 100.5 × 72 mm |
| 重量 (バッテリー、記録メディア含めず) | 615 g | 620 g |
| カラーバリエーション | ブラックのみ | ← |
| 発売日 | 2020年 11月 | 2025年 4月 |
| 新品価格 (ボディーのみ) | 200,799 円〜 | 222,970 円〜 |
| 中古価格 (ボディーのみ) | 135,000 円〜 | 210,000 円〜 |
※当該品が比較品よりも優れる項目を青字で、劣る項目を赤字で記載しています。
① Z6ⅡがZ5Ⅱに劣るところ
Z6ⅡはZ5Ⅱに対し、発売が4年半ほど早く、画像処理エンジンはひと世代前のEXPEED6を搭載しています。これにより、起動時の所要時間、ボタンやダイヤル等で操作する際の反応速度、そして何よりAFの速さと正確性に差が出ます。
② Z6ⅡがZ5Ⅱより優れる点
一方、Z6Ⅱは中級機の位置付けの為、記録メディアはCFexpressカードが使用可能です。また、スチルユーザーには嬉しいチルト液晶を搭載しています。他にも、中級機の位置付け故の長所がいくつかあります。
③ 2機種の中古価格差
製品仕様の違い以外でご注目いただきたいのは、中古価格の差額が7万5千円で、3分の2以下だということです。
つまり、①-②で導かれる「Z5Ⅱの優位性」に対し、「③の金額」を支払うべきと考える否か、という判断基準になると思います。それでは、事項では②についてもう少し詳しく見ていきます。
私が「Z5Ⅱ」より「Z6Ⅱ」を推す理由
以降では、私が「Z6IIを推す理由」を列記していきますが、これはあくまで私の主観に基づいた内容です。決してZ5IIを下げたい、という意図はございません。
Z5IIは最新機種で、多くの状況下でZ6Ⅱと同等以上のパフォーマンスを発揮するでしょう。
ここでは、あくまで「私だったら、こう考える」「私だったら、この点を重視する」「私はここが気になる」と申し上げているに過ぎません。Z5IIの購入を検討されている方や、既にお使いの方は、どうかお気を悪くなさらず、「こういう考え方もあるんだな」程度に受け止めていただければ幸いです。
1. 中古価格が安い
2. チルト液晶が便利
3. 肩液晶が便利
4. モードダイヤルにロック機構がある
5. CFexpressカードが使える
6. デザイン的な高級感と中級機らしさ
7. 十分なスペック
1. 中古価格が安い
とにもかくにも、まずここです。
Z6Ⅱは、中古市場での流通量が豊富で、良品が手頃な価格で入手しやすいです。一方、Z5Ⅱはまだ登場から1年で、中古品と言えど、新品とあまり変わらない価格になっています。私は元来、撮影機材はカメラボディーよりレンズや周辺機材にお金をかけるべきと考えています。この価格差を活かして、Sラインの単焦点レンズや、しっかりした三脚などを買うための軍資金に回した方が、表現の幅は広がると思うのです。
2. チルト液晶が便利
Z6Ⅱはチルト液晶を採用しています。特にスチル撮影ががメインの方は、これにより下記恩恵を受けられます。
- ウエストレベルで撮れる
- 光軸がずれない
- 握ったときの剛性感、一体感 (バリアングルより頑丈?)
被写体に「今、撮られている」と意識させず、自然な表情を捉えたい時や、スナップ撮影の時には、ウエストレベルで構えられることが大きな利点となります。また、チルト式は展開しても光軸がずれないため、撮影時の混乱を防ぎ、より直感的なフレーミングが可能になります。更に、これは私の主観ではありますが、チルト式はバリアングル式に比べて剛性が高く、カメラとの一体感や安定感に優れていると感ます。これにより撮り手はカメラを信頼し、撮影だけに集中できるのではないでしょうか。
3. 肩液晶が便利
Z6Ⅱには上面にサブ液晶(肩液晶)が搭載されています。これにより、主要な設定値(絞り・ISO・撮影モードなど)を上からひと目で確認することができます。これは使ってみないと、なかなか分かりにくいのですが、速写性に貢献してくれます。街歩きしている時に、思いもかけずやってきたシャッターチャンスで、カメラを構えながら、その間に設定値を確認することができるのです。また、夜間撮影時の視認性は特に優れます。万人に必要かと言われますと「No」なのですが、共感していただける方も一定数いらっしゃるかと思います。
4. モードダイヤルにロック機構がある
Z6Ⅱのモードダイヤルには誤操作を防ぐロック機構が搭載されています。持ち運びの時や、カメラバッグからの出し入れ時に、意図せず設定が変わってしまうリスクを減らすことができます。
5. CFexpressカードが使える
Z6ⅡはCFexpress(Type B)とSDカードのダブルスロット構成です。これにより、連写や動画の記録、PCへのデータ転送速度が大幅に向上します。長期使用を考慮した時に、積算工数の差は大きなアドバンテージになると考えます。また、カード自体の耐久性・信頼性も高いので、プロユースでなくとも大切な瞬間を記録する道具として、CFexpressカードの使用を推奨します。
6. デザイン的な高級感と中級機らしさ
これは私だけかもしれません。私には、「Z6Ⅱは中級機、Z5Ⅱはエントリー機」と感じてしまうポイントがひとつあるのです。それは、Z5Ⅱにだけ「ピクチャコントロール」の変更ボタンがあることです。これ自体は大変便利な機能だと思います。ただ私の場合、どうしてもこの存在により、一気に「カジュアル且つエントリーな機種なんだな」と感じてしまうのです。これが無地のファンクションボタンであれば、感じ方も少し違ったと思います。
7. 十分なスペック
巷ではいろいろ言われていますが、私はZ6ⅡのAF性能、連写速度、手ぶれ補正の性能に不満を感じたことはほとんどありません。AF-Cで、娘の運動会の撮影も、走り回る愛犬の撮影も、友人のスポーツの撮影も、何なくこなしてきました。確かに、歩留はZ5Ⅱのかもしれませんが、Z6Ⅱでも6〜8割は瞳にピントの合った写真を吐き出してくれます。故に、よほど厳しい環境下でない限り、Z6Ⅱは十分な性能を保持していると思うのです。
以上より、私の結論としましては、
「カメラボデイーは中古のZ6Ⅱを買う、
Z5Ⅱとの差額7万5千円に少し追い金して、
Sラインの単焦点レンズを1本買う」
と言うのを提案したいと思います。
作例
以下、Z6Ⅱで撮った写真です。

f:2.8, シャッタースピード:1/500秒, ISO感度:100
パンケーキレンズNIKKOR Z 26mm f/2.8との組み合わせで撮りました。コンデジ感覚で、ふとした日常を切り取ったり、気軽にスナップしたりと、良き相棒になってくれます。

f:2.8, シャッタースピード:1/320秒, ISO感度:100
クセのないまろやかなボケは扱いやすく、様々なシーンで重宝します。

f:6, シャッタースピード:1/800秒, ISO感度:5,000
絞れば隅々までシャープに解像します。

f:1.8, シャッタースピード:1/5,000秒, ISO感度:1,600
単焦点レンズNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sとの組み合わせで撮りました。開放で撮れば背景をうまく処理し、人物を際立たせることができます。

f:5, シャッタースピード:1/4,000秒, ISO感度:400
オートフォーカスも早く、こんな瞬間もきちんと押さえることができます。

f:2.8, シャッタースピード:1/8,000秒, ISO感度:2,000
大三元ズームレンズNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sとの組み合わせで撮りました。

f:8, シャッタースピード:1/30秒, ISO感度:4,000
高感度耐性も強く、光量の少ない屋内撮影でも困りません。

f:11, シャッタースピード:1/800秒, ISO感度:2,000
絞り込めば (f値を上げて撮影すれば)、隅々までシャープな風景写真を撮ることもできます。
他にも、いろんなシチュエーションで、いろんなレンズとの組み合わせで撮った写真がありますので、以下に載せておきます。

f:2.8, シャッタースピード:1/3,200秒, ISO感度:160

f:3.5, シャッタースピード:1/2,000秒, ISO感度:160

f:11, シャッタースピード:1/100秒, ISO感度:100

f:11, シャッタースピード:1/3,200秒, ISO感度:3,200
走るゆりかもめの中からサッと撮りましたが、ピントは合っています。窓ガラス越しでしたが、何ら問題ありませんでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。Z6IIは価格・信頼性・操作性のバランスが取れた、完成度の高い中級機です。もし現在、Zマウントのカメラを検討していて、最新AF機能等を最優先にしていないのであれば、Z6IIは極めて現実的かつ満足度の高い選択肢になります。この記事が、Z6Ⅱの購入検討で悩んでいる方々の、後押しになれば嬉しいです。
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