はじめに
名古屋の中心部、栄からほど近くに「文化の道」と呼ばれる散策エリアがあります。
大正から昭和初期にかけて、日本が西洋文化を取り入れながらも独自の美意識を磨いていた時代の建築や暮らしを、今に残す貴重な地域です。
そこに佇むのが、今回訪れた「二葉館(旧川上貞奴邸、ふたばかんと読みます)」と「橦木館」です。
2025年8月11日、この二つの館を、
「Nikon Z6II」と「Voigtländer NOKTON Classic 35mm F1.4 Ⅱ MC」、
そしてNOKTON 50mm F1.2 Aspherical Ⅱを携えて巡ってきました
やわらかな光、窓越しに差し込む陰影、壁や床の質感、
時の流れと共に深みを増した空気感を、そのまま写真に閉じ込めています。
当サイトでは写真・カメラの情報発信をしていますが、
本記事では写真やカメラ好きの方でなくとも楽しんでいただけますよう、
写真と共に両スポットの情報をふんだんに盛り込んでおります。
是非いちど、目を通していただければ幸いです。
※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。ご了承ください。
使ったカメラとレンズ
・カメラ:ニコンZ6II
・レンズ:Voigtländer NOKTON Classic 35mm F1.4 Ⅱ MC、Voigtländer NOKTON 50mm F1.2 Aspherical Ⅱ
撮った写真とスポット紹介
二葉館 (旧 川上貞奴邸)
■ 入館料と利用案内
・二葉館単独
・大人:200円
・市内在住65歳以上:100円
・中学生以下:無料
・二葉館+橦木館セット券
・大人:320円
・市内在住65歳以上:160円
・中学生以下:無料
徒歩数分の距離なので、橦木館とのセット券をお勧めします。

名古屋市東区の静かな住宅街に、赤い外壁が目を引く二葉館があります。
ここは、日本初の女優・川上貞奴が、電力王と呼ばれた福澤桃介と晩年を過ごした住まいです。戦後に解体されましたが、2005年に、設計資料や写真、昭和初期の和洋折衷建築をもとに復元され、大正ロマンの趣とともに当時の暮らしを感じさせてくれます。外観は赤い外壁とアールデコ意匠※が見どころです。
※1910年代半ばから1930年代にかけてで欧米で流行した、直線や幾何学模様を基調とした装飾様式

ステンドグラスをあしらった窓が印象的です。

窓の外から室内に、優しい光がさし込みます。私たちは時間の都合上、午後訪れましたが、午前中の方がよりやわらかい光が入ってくるそうです。


和室の一角で、この部分は国の文化財として登録されています。ここでは調度品などで当時の室内が再現されています。

これらが調度品ですね。貞奴愛用の品々が、当時の生活を伝えてくれます。



2階の「中国室」です。ただ、あまり中国風の印象は受けず、むしろ洋風のテイストの方が濃いと感じました。


2階は、坪内逍遥、江戸川乱歩、二葉亭四迷、城山三郎など、名古屋出身の作家に関する資料が保存されています。

当時の暮らしを感じさせる1階展示室2、3、4は和室で、建設当初のままだそうです。

写真・カメラ好きとしては、このらせん階段がとても魅力的に感じたのですが、資料はパンフレットでは特に触れられておりませんでした。写真を撮るなら、焦点距離50mmでは少厳しく、28〜35mmあたりがあるとよいかと思います。一般的なスマートフォンのカメラは28mm相当ですので、全体を写すことができるはずです。
橦木館
■ 入館料と利用案内
・橦木館単独
・大人:200円
・市内在住65歳以上:100円
・中学生以下:無料
・二葉館+橦木館セット券
・大人:320円
・市内在住65歳以上:160円
・中学生以下:無料
・二葉館と同様、セット券での訪問が便利。徒歩での移動も楽しみのひとつです

一方の橦木館は、江戸末期から質商を営んでいた井元為三郎家の旧邸です。明治期に建てられた主屋を中心に、土蔵や離れ、和風庭園が整えられています。

名前の由来は、建物の形が鐘を突く橦木(しゅもく)に似ていることからとされ、落ち着いた佇まいの中に商家らしい重厚さが漂います。

館内には当時の家具や調度品が展示され、質商としての暮らしぶりや町家建築の工夫を知ることができます。

戦後は住宅として使われましたが、その後保存のため名古屋市が取得し、文化施設として公開されるようになりました。


陶磁器商として栄えた山田才吉が建てたとされ、和風の住居部分と洋風の応接室を併せ持ち、当時の「和洋折衷住宅」の流行を象徴しています。

明治時代の輸入家具や照明が配され、当時の商家が見せた「モダン」な顔がうかがえます。

私が訪れた日はちょうど、「過去と未来のおもちゃ展」の期間中で、館内のいたるところに鉄腕アトムのグッズがところ狭しと並んでおりました。


廊下の左手には、小さな庭園ながら、四季折々の花木が咲いております。私が訪れた時にはスイセンが咲いておりました。

土間と台所です。写真の他にも、大きなかまどや炊事道具が残り、生活の音や匂いが感じられる空間でした。

おぉ…これが何だか分かりますか? 昔のカメラですよ。コダックのアコーディオン付きカメラではないでしょうか。フィルムは大判ですかね…。

館内アトムだらけでした。このイベントは8月17日まで行われているそうです。


ひとつひとつはかわいらしい人形ですが、これだけたくさん並んでいると圧倒されます。




おわりに ― 光と時間が交差する場所で
二葉館のステンドグラス越しに差し込む色彩の光、
撞木館の障子からにじむやわらかな陽射し。
この二つの館は、まるで異なる表情を持ちながら、
どちらも過ぎ去った時代の空気を静かに閉じ込めています。
廊下を歩くたび、床板のきしむ音が耳に残り、
庭先の草木が風に揺れるたび、暮らしの匂いがよみがえる。
カメラを手にすれば、ただの記録ではなく、
そこに漂う時間そのものを写し取りたくなる。
文化のみちの散策は、
過去と現在が交差する瞬間を、そっと手にすくい上げるような旅。
二葉館と撞木館は、その旅の中で出会える、かけがえのない光の器でした。
私は35mmと50mmのレンズを持っていったのですが、
35mmでもちょっと狭いかな、と思うシーンがありました。
標準ズームか、28mm単焦点あたりがオススメです。
アクセス
二葉館へのアクセス・ルート情報については、下のGoogleマップをご参照下さい。二葉館から撞木館へは、西側へ徒歩4分です。
参考
本記事内の写真はニコンZ6IIと、Voigtländer NOKTON Classic 35mm F1.4 Ⅱ MC、及びVoigtländer NOKTON 50mm F1.2 Aspherical Ⅱの組み合わせで撮りました。以下にリンクを貼っておきます。ご興味のある方は、是非チェックしてみて下さいね。
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