被写界深度とは?
「被写界深度(ひしゃかいしんど)」とは、ピントが合っているように見える範囲の深さのことです。写真はレンズの特性上、すべての場所に同時にピントを合わせることはできません。前後のどの範囲までがシャープに写るか、それを調整するのが被写界深度のコントロールです。
- 被写界深度が浅い → 背景が大きくぼけて、被写体が際立つ
- 被写界深度が深い → 手前から奥まで全体がシャープに写る
この違いを理解すると、写真の印象を自分の意図でコントロールできるようになります。
被写界深度を決める3つの要素
被写界深度は主に以下の3つで決まります。
- 絞り(F値)
F値を小さく(例:F1.8)すると浅くなり、背景が大きくぼけます。
F値を大きく(例:F11)すると深くなり、全体がくっきり写ります。 - 焦点距離
望遠レンズ(例:85mm以上)は被写界深度が浅く、ボケやすい。
広角レンズ(例:24mm以下)は被写界深度が深く、全体にピントが合いやすい。 - 被写体との距離
被写体に近づくほど浅くなり、背景がぼけやすくなります。
離れると深くなり、奥行きまでピントが合いやすくなります。
この3要素を意識して組み合わせると、表現の幅が一気に広がります。
背景をぼかすテクニック
ポートレートや料理写真などでよく使われる方法です。
- 絞りを開ける(F1.8〜F2.8など)
- 望遠レンズを使う
- 被写体にぐっと近づく
こうすることで背景がやわらかくぼけ、被写体がより印象的に際立ちます。
背景がごちゃごちゃしている場所でも、スッキリした写真に仕上がります。
全体にピントを合わせるテクニック
風景写真や建築写真などでは、前から奥までしっかり写したいこともあります。
- 絞りを絞る(F8〜F16など)
- 広角レンズを使う
- 被写体から少し離れる
こうすると手前から遠景までクリアに表現でき、奥行きやスケール感が伝わる写真になります。
シーン別の活用例
- ポートレート → 被写界深度を浅くして背景をぼかし、人物を主役に。
- 風景写真 → 被写界深度を深くして手前から遠くまで見せる。
- テーブルフォト → 背景を適度にぼかすことで料理を際立たせる。
- 街スナップ → 被写界深度を調整して「人の気配」や「場の空気感」を強調。
注意点
- 絞りすぎると暗くなる → シャッタースピードが遅くなり、手ブレの原因になる。
- ボケすぎると背景が伝わらない → 「どこで撮ったか」の情報が消えてしまう。
- センサーサイズの影響 → フルサイズはボケやすく、スマホや小型センサーはボケにくい。
まとめ
被写界深度をコントロールできると、写真表現は一気に広がります。
- 背景をぼかして被写体を際立たせる
- 全体にピントを合わせて風景をクリアに描く
- シーンに応じて「浅い」か「深い」かを選択する
まずはF値を変えながら撮影してみるのがおすすめです。同じ被写体でも印象がガラリと変わることに気づけるはずです。
次回は「AF・ピントの基本」について解説します。
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