6日目|被写界深度のコントロール

撮影について

被写界深度とは?

「被写界深度(ひしゃかいしんど)」とは、ピントが合っているように見える範囲の深さのことです。写真はレンズの特性上、すべての場所に同時にピントを合わせることはできません。前後のどの範囲までがシャープに写るか、それを調整するのが被写界深度のコントロールです。

  • 被写界深度が浅い → 背景が大きくぼけて、被写体が際立つ
  • 被写界深度が深い → 手前から奥まで全体がシャープに写る

この違いを理解すると、写真の印象を自分の意図でコントロールできるようになります。

被写界深度を決める3つの要素

被写界深度は主に以下の3つで決まります。

  1. 絞り(F値)
     F値を小さく(例:F1.8)すると浅くなり、背景が大きくぼけます。
     F値を大きく(例:F11)すると深くなり、全体がくっきり写ります。
  2. 焦点距離
     望遠レンズ(例:85mm以上)は被写界深度が浅く、ボケやすい。
     広角レンズ(例:24mm以下)は被写界深度が深く、全体にピントが合いやすい。
  3. 被写体との距離
     被写体に近づくほど浅くなり、背景がぼけやすくなります。
     離れると深くなり、奥行きまでピントが合いやすくなります。

この3要素を意識して組み合わせると、表現の幅が一気に広がります。

背景をぼかすテクニック

ポートレートや料理写真などでよく使われる方法です。

  • 絞りを開ける(F1.8〜F2.8など)
  • 望遠レンズを使う
  • 被写体にぐっと近づく

こうすることで背景がやわらかくぼけ、被写体がより印象的に際立ちます。
背景がごちゃごちゃしている場所でも、スッキリした写真に仕上がります。

全体にピントを合わせるテクニック

風景写真や建築写真などでは、前から奥までしっかり写したいこともあります。

  • 絞りを絞る(F8〜F16など)
  • 広角レンズを使う
  • 被写体から少し離れる

こうすると手前から遠景までクリアに表現でき、奥行きやスケール感が伝わる写真になります。

シーン別の活用例

  • ポートレート → 被写界深度を浅くして背景をぼかし、人物を主役に。
  • 風景写真 → 被写界深度を深くして手前から遠くまで見せる。
  • テーブルフォト → 背景を適度にぼかすことで料理を際立たせる。
  • 街スナップ → 被写界深度を調整して「人の気配」や「場の空気感」を強調。

注意点

  • 絞りすぎると暗くなる → シャッタースピードが遅くなり、手ブレの原因になる。
  • ボケすぎると背景が伝わらない → 「どこで撮ったか」の情報が消えてしまう。
  • センサーサイズの影響 → フルサイズはボケやすく、スマホや小型センサーはボケにくい。

まとめ

被写界深度をコントロールできると、写真表現は一気に広がります。

  • 背景をぼかして被写体を際立たせる
  • 全体にピントを合わせて風景をクリアに描く
  • シーンに応じて「浅い」か「深い」かを選択する

まずはF値を変えながら撮影してみるのがおすすめです。同じ被写体でも印象がガラリと変わることに気づけるはずです。

次回は「AF・ピントの基本」について解説します。

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