この記事をご覧になっている方の多くが、「SIGMA fp」ユーザーだと思っています。その中でも、「45mm F2.8 DG」との組み合わせで使っておられる方が、多数派なのではないでしょうか。今回は、そんな方々に2本目として、同じContemporaryラインのIシリーズの中から、中望遠域の単焦点レンズ「90mm F2.8 DG」をご提案します。
「中望遠」というと、少しとっつきにくい印象を持たれるかもしれません。画角が狭くて使いどころが難しそう、スナップには向かないんじゃないか——そんな先入観もあるのではないでしょうか。でも実際には、中望遠だからこそ楽しめる撮影があります。
圧縮効果による奥行きのある構図、背景をきれいにぼかしたポートレート。カメラの存在を意識していない距離から静かに切り取る、家族やペットの日常風景…。決して特別な用途に限らず、むしろ日々の撮影にさりげなく取り入れられる、懐の深い画角です。
それでは、SIGMA fpと90mm F2.8の組み合わせで、どんな写りが得られるのか。
実際の使用感を交えながら、見ていきましょう。
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スペック
SIGMAレンズには「Art」「Contemporary」「Sports」の3つのラインがあり、本レンズは日常使いに適したContemporaryラインに属します。さらにその中でも、質感やデザインにこだわった「Iシリーズ」に位置付けられており、携帯性と高品位な仕上がりを両立しています。主要スペックを下表にまとめました。今回は「SIGMA fp」のキットレンズ「45mm F2.8 DG」との比較で、下表にまとめてみました。
| 名称 | 90mm F2.8 DG ( 当該品 ) | 45mm F2.8 DG ( 比較品 ) |
| メーカー | シグマ | シグマ |
| マウント | ライカ Lマウント (ソニー Eマウント用もあり) | ← |
| フルサイズ対応 | ○ | ← |
| 焦点距離 | 90 mm | 45 mm |
| 絞り値 | f 2.8 〜16 | ← |
| 絞り羽根枚数 | 9 枚 ( 円形絞り ) | 7 枚 ( 円形絞り ) |
| レンズ構成 | 10群11枚 | 7群8枚 |
| 最短撮影距離 | 50 cm | 24 cm |
| 最大撮影倍率 | 0.2 倍 | 0.25 倍 |
| フィルター径 | 55 mm | ← |
| オートフォーカス | あり ( ステッピングモーター ) | ← |
| 手ブレ補正 | なし | ← |
| 外装材質 | 金属 | ← |
| 絞りリング | あり | ← |
| サイズ ( 直径 × 長さ ) | 64.0 × 59.7mm | 64.0 × 46.2 mm |
| 重量 | 295 g | 215 g |
| カラーバリエーション | ブラック / シルバー | ← |
| 新品価格 | 77,000 〜 円 | 66,000 〜 円 |
| 中古 | 55,000 〜 65,000 円 | 45,000 〜 55,000 円 |
※当該品が比較品よりも優れる項目を青字で、劣る項目を赤字で記載しています。
「90mm f2.8 DG」は、「45mm F2.8 DG」に比べると、焦点距離を望遠側に振った分、少しだけ大きく、重く、価格も高くなっています。ともにフィルター径が55mmで、共用できるのが嬉しいポイントです。今回ご紹介しますのは「ライカLマウント用」ですが、「ソニーEマウント用 (ブラックモデルのみ)」も展開されています。
2025年2月、「シグマBF」の登場と当時に、本レンズはデザインが刷新され、製品名も「45mm F2.8 DG DN」から「45mm F2.8 DG」になりました。但し、変更内容は「文字のフォント」と、「シルバーモデルの追加」のみで、形状・寸法、光学系の変更はありませんので、本記事では同一品として扱っています。
外観・デザイン
それでは、さっそく見ていきましょう。

90mm f2.8 DGは、45mm F2.8 DG同様に金属製の鏡筒と絞りリングを備えたコンパクトなレンズです。造りの良さは言わすもがなです。45mm F2.8 DGより少し前玉が大きく、遠くの光をたくさん取り込んでくれそうな印象を受けます。

サイズ比較の為、ふたつ並べてみました。左が90mm F2.8 DG、右が45mm F2.8 DGです。直径は全く同じ64.0mmで、長さは90mm f2.8 DGの方が13.5mm長くなっています。

この角度の眺めが好きです。何となく「いいものを持っている、使っている」という気になれるのです。
操作性・使いやすさ
45mm F2.8 DG同様に、シンプルな構造のレンズなので、操作に迷うことはないと思います。

AF /MFのフォーカス切り替えスイッチが、鏡筒の長手方向に動くようになっています。これは、円周方向に動く方が、操作はしやすかったかもしれませんね。

SIGMA fpに取り付けました。、45mm F2.8 DGと異なり、レンズ前面に製品名と「MADE IN JAPAN」の文字はありません。(この写真では見えませんが、レンズ側面の根元付近に、白文字で小さく印字されています)

45mm F2.8 DGとの相違点として、90mm f2.8 DGにはマグネットで着脱できる金属製のレンズキャップ(上の写真の左)が付属します。(右は通常の樹脂製キャップで、こちらも同梱されています) 見た目の美しさに加え、カチッと吸いつくように装着される感触は、使うたびにちょっとした満足感があります。但し、フードを取り付けると、このキャップを着脱するのに非常に難儀します。尚、フードはレンズに迫る長さで、携帯性を損ねるので私は使っていません。尚、この金属製キャップは45mm F2.8 DGと共用できません。45mm F2.8 DGにはマグネットが組み込まれていないようです。樹脂製キャップは共用できます。
作例
以下、シグマfpと90mm F2.8 DGの組み合わせで撮った写真です。

開放からシャープです。ふんわりなめらかなボケを45mm F2.8 DGとは、性格が異なるようです。

背景と距離をとればボケは得られますが、45mm F2.8 DGに対し少々主張の残るボケだと感じました。ピント面はシャープです。

RAW現像時にトリミングしておりますが、やはりピント面は非常にシャープです。

背景はグルグルボケのようになっています。45mm F2.8 DGに比べ、若干主張の強いボケす。使いこなせば、面白い表現にすることができそうです。

明るさを生かして、街中で夜スナを楽しむこともできます。

少し絞り、f4で撮りました。カラーモードは「Foveon classic blue」を選択しました。空の色がなだらかなグラデーションで表現されています。

何も考えず、水面にピントを合わせて撮っただけの写真ですが、まるで絵画のように仕上げてくれました。

f6まで絞りました。明暗差のあるシチュエーションでしたが、シャドウ・ハイライトともに粘っています。

f8まで絞ると、全体的に非常にシャープに写ります。カラーモードは「パウダーブルー」を選択しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。以下、90mm f2.8 DGについてのまとめです。
① 同じIシリーズらしい高い質感と、fpとの相性の良さ
② 中望遠ながら軽量コンパクトで、日常使いにも取り入れやすい
③ 開放から安心して使える高い解像力と、自然で美しいボケ味
④ 45mm F2.8とは異なる視点が得られ、表現の幅が広がる
⑤ マグネット式キャップなど、使う楽しさにも配慮された設計
⑥ 強いて気になるところを挙げるなら、AF/MF切り替えスイッチの稼働方向がレンズの長手方向なこと。
円周方向であれば、より操作しやすいが、コンパクトさとのトレードオフと受け入れること。
この記事が、レンズ選びで悩む方々にとって、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
参考
今回ご紹介しましたレンズ以外にも、シグマの魅力的な製品はたくさんあります。
気になるものがあれば、ぜひチェックしてみてくださいね。
キットレンズにもなっている45mm F2.8 DGです。コンパクトな標準域で、色んな用途に重宝します。
同レンズのソニーEマウント要は↓コチラ↓です。
シグマのカメラボディーをお探しの方は以下をご参照下さい。上から順にfp、高画素機のfpLです。
シグマの最新機種の「BF」です。ブラックとシルバーの2色展開になっています。
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