“ふたつの顔” を持つ不思議なキットレンズ “SIGMA 45mm F2.8 DG” 徹底レビュー

レンズ

「SIGMA fp」を手にした多くの人が、まず最初に選ぶレンズ——それがこの「45mm F2.8 DG」ではないでしょうか。

キットレンズですが、侮ることなかれ。クラシカルな外観と手のひらサイズのコンパクトさ、そして描写力のバランスは、スナップや旅先での撮影で重宝します。

そして何より印象的なのが、その描写の「ふたつの顔」です。絞り開放付近ではふんわりと柔らかく、ベールをまとったような描写です。一方、そこから絞っていくと、解像感の高いシャープな描写に変化します。
柔らかさとキレの二面性を併せ持つこのレンズは、小さいながら味わい深く、私たち撮り手の感性を刺激してくれる1本です。

「気軽に写真を楽しみたい」、「でも画質には妥協したくない」——そんな方には、まさにぴったりです。

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スペック

SIGMAレンズには「Art」「Contemporary」「Sports」の3つのラインがあり、本レンズは日常使いに適したContemporaryラインに属します。さらにその中でも、質感やデザインにこだわった「Iシリーズ」に位置付けられており、携帯性と高品位な仕上がりを両立しています。主要スペックを下表にまとめました。

名称45mm F2.8 DG
メーカーシグマ
マウントライカL マウント
フルサイズ対応
焦点距離45 mm
絞り値f 2.8 〜 22
絞り羽根枚数 7 枚
( 円形絞り )
レンズ構成7群8枚
最短撮影距離24 mm
最大撮影倍率0.25 倍
フィルター径55 mm
オートフォーカスあり
手ブレ補正なし
外装材質金属
絞りリングあり
サイズ
( 直径 × 長さ )
64.0 × 46.2 mm
重量230 g
カラーバリエーションブラック/ シルバー
新品価格66,000 円 〜
中古価格45,000 〜 55,000 円
※上記は記事作成時の情報です。念の為、公式HP等で最新情報をご確認下さい。
※当該品が比較品よりも優れる項目を青字で、劣る項目を赤字で記載しています。

2025年2月、「シグマBF」の登場と当時に、本レンズはデザインが刷新され、製品名も「45mm F2.8 DG DN」から「45mm F2.8 DG」になりました。但し、変更内容は「文字のフォント」と、「シルバーモデルの追加」のみで、形状・寸法、光学系の変更はありませんので、本記事では同一品として扱っています。

また、今回ご紹介しますのは「ライカLマウント用」ですが、「ソニーEマウント用 (ブラックモデルのみ)」も展開されています。

外観・デザイン

それでは、さっそく見ていきましょう。

45mm F2.8 DGは、金属製の鏡筒と絞りリングを備えたコンパクトなレンズです。クラシカルなデザインで、手に取るとひんやりとした質感と精巧な作りであることが、ひしひしと伝わってきます。存在感と品のある佇まいです。

付属の金属フードをつけてみました。鏡筒と、デザイン・質感が統一されています。全長は少し長くなりますが、取り回しに支障はないと思います。

SIGMA fpに取り付けた時のバランスは非常によいです。

操作性・使いやすさ

シンプルな構造のレンズなので、操作に迷うことはないと思います。

絞りリングはクリック感がしっかりしており、f2.8から22の範囲で動かすことができます。AF/MFのフォーカス切り替えスイッチはありますが、ファンクションボタンはありません。スイッチは鏡筒の長手方向に動くようになっています。これは、円周方向に動く方が、操作しやすかったと思います。絞りリングとマニュアルフォーカスは電子制御(バイワイヤー)方式で、滑らかな操作感になっています。

SIGMA fpに取り付けました。レンズの前面に、「45mm F2.8 DG DN」と「MADE IN JAPAN」の文字が、ブラックアウトするように刻印されています。主張の少ないデザインが、シックで惹かれます。

レンズフードを装着してみました。この姿も非常に美しいですね。系統は違うのですが、私は何故か「M型ライカ」に通ずるものを感じてしまうのです。

作例

以下、シグマfpと45mm F2.8 DGの組み合わせで撮った写真です。

f:2.8, シャッタースピード:1/250秒, ISO感度:100

絞り開放のf2.8で撮りました。AFが弱点の「SIGMA fp」で、風に揺られる被写体をとらえるのは、少しばかり苦労しました。マニュアルである程度ピントを合わせた上で連写し、撮れた中からお気に入りの一枚を選定しました。

f:2.8, シャッタースピード:1/40秒, ISO感度:3200

フェラーリですよ、フェラーリ。「私の愛車」と言いたいところですが、違います。残念です。絞り開放で撮りました。ピントを合わせた前照灯部はシャープに解像され、前後ともそこから少しずつボケています。金属表面の質感と、なめらかな曲線状の造形が、うまく表現されていると感じます。

f:4, シャッタースピード:1/100秒, ISO感度:100

少し暗いシチュエーションでしたが、シャッタースピード1/100ですので、手持ちで撮ることができました。夕空と水面のグラデーションを綺麗に表現されていると感じます。

f:5, シャッタースピード:1/80秒, ISO感度:100

45mmという焦点距離はあまり馴染みがありませんでした。50mmの感覚でいると、思った以上に広く撮り込めることに驚きました。「ちょうどいい」という表現が最もふさわしいと思います。街中スナップする時にはとても重宝しました。

f:4, シャッタースピード:1/250秒, ISO感度:100

速達の「速」の字にピントを合わせました。前後ボケともにクセがなく、とても扱いやすいと思います。SIGMA fpは、フォーカスポイントの大きさを「大・中・小」の3段階で選択することができます。デフォルトは「中」に設定されていますが、「小」に変更することで、オートフォーカスの精度が向上したと感じます。

f:4, シャッタースピード:1/800秒, ISO感度:100

雪の質感がうまく出ており、まるで踏み締めた時の「キュッキュッ」という音が聞こえてくるかのようです。

f:11, シャッタースピード:1/50秒, ISO感度:500

ゴジラと右側の人物は、奥行方向に2〜3mほど離れていました。f11まで絞ることで、両方にピントを合わせることができました。ここまで絞ると、全体をシャープにくっきり解像してくれます。絞り開放あたりとの表現の違いに驚きました。

まとめ

・金属外装と絞りリングが特徴の上質なデザイン。コンパクトで携帯性も抜群。
・絞りリングはしっかりしたクリック感があり、操作の楽しさも味わえる。
・開放では柔らかく、絞ればシャープに。表現の幅が広い“二面性”が魅力。

いかがでしたでしょうか。

この記事が、レンズ選びで悩む方々にとって、少しでもお役に立てば嬉しいです。

参考

ソニーEマウント用をお探しの方は、こちらをご覧ください。

また、「シグマfp」、「シグマfp L」、「SIGMA BF」をお探しの方は、こちらをご覧ください。

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