はじめに
2025年9月10日、長野県・蓼科高原にひっそりとたたずむ御射鹿池に行ってきた。ここはもともとは農業用のため池として造られた人工池にすぎない。しかし、その水は酸性が強く魚が棲めないため、濁らずに森の緑を鏡のように映し出す。その静謐な光景は、日本画家・東山魁夷の代表作「緑響く」の舞台となったことで広く知られるようになった。白馬が佇む幻想的な画面を思い浮かべながら、訪れる人は絵画と現実の間を行き来する不思議な感覚を味わう。四季ごとに姿を変える御射鹿池は、写真家にとっても大いなる挑発であり、静かな興奮を与えてくれる場所だ。
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スポット情報
概要
- 所在地:長野県茅野市豊平(蓼科高原の奥)
- 標高:約1,500m
- アクセス:中央道・諏訪ICから車で約40分、茅野市街地から約30分
- 池の由来:農業用のため池として造られた人工池。
- 特徴:水が酸性で魚がほとんど棲めないため、濁らずに湖面が鏡のように景色を映す。四季折々の木々が水面に反射する景観が美しい。
東山魁夷との関係
- 日本画家 東山魁夷の代表作 「緑響く」(1982年)が、御射鹿池をモデルにして描かれたといわれている。
- 「緑響く」は白馬が森の池畔に佇む幻想的な風景画で、緑と水面の静謐な描写が特徴。
- 作品を鑑賞した人が御射鹿池を訪れ、「この世に本当に実在したのか」と感動するスポットになった。
- 絵画のように見える池の美しさは、写真よりも実際にその場に立ったときにより強く感じられる。
見どころ
- 四季の表情
- 春:新緑が湖面に映える。
- 夏:深緑と澄んだ空気が幻想的。
- 秋:紅葉のリフレクション。
- 冬:雪景色と凍りついた静けさ。
- 観光整備
- 2010年代に観光用の駐車場が整備され、撮影しやすくなった。
- フォトスポット
- 朝や曇天時に湖面がよりクリアに映る。晴天時は光の加減で反射が強くなりやすい。
- その他
- シャープの液晶テレビAQUOSのCMロケ地としても使われたことがある。
アクセス
アクセス・ルート情報については、Googleマップをご参照下さい。
使ったカメラとレンズ
・カメラ:ニコンZf
・レンズ:NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
撮った写真

駒ヶ岳での撮影を終えた後、直行して御射鹿池に到着したのは16時過ぎ。この日は曇り空で、池にはやわらかな光が注がれていた。風もなく、水面には木々の緑が美しく映し出されていた。こちらの写真はかなり現実に近いものだと思ってほしい。

こちらの写真は私の記憶色だ。記憶の中では現実よりも少し色が鮮やかに、少し緑が深く刻まれている。以降の写真も同様だ。

こちらはNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの広角端で撮った。曇りの為、空の面積は少なくした。

こちらが今回のお気に入りの一枚だ。本当に神秘的で、東山魁夷があの絵に白馬を添えた理由も自然と納得できる。

水面を切り取れば、それだけで絵画のような美しさとなる。
おわりに
御射鹿池はただ美しいだけの観光地ではない。東山魁夷の「緑響く」がそうであるように、訪れる人に自然の深さや心の静けさを思い起こさせる場所だ。写真に収めることで、ほんのわずかでもその感覚を共有できるなら幸せだと思う。次に訪れるとき、また違う「緑の響き」に出会えることを願っている。
〜追伸〜
実は今回の撮影では、「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」と「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」の二本のレンズを使用した。ところが、選定の後に残ったのは全て後者で撮った写真となった。手前の木々や草木など、不要なものを画角から外す上でこのような結果になったと思われる。もし焦点距離85mmや135mmの単焦点レンズ(絞って撮るので、明るさは1.8、1.4、1.2、どれでもよい)をお持ちであれば、一本勝負するのも面白いかもしれない。また、紅葉の時期に訪れ、挑戦したいと思う。
参考
本記事内の写真はニコンZfとNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S、NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの組み合わせで撮りました。以下にリンクを貼っておきます。ご興味のある方は、是非チェックしてみて下さいね。
Zfの機能・性能には大満足。でも持ちにくさが心配。やはり深いグリップのある機種がよい、という方にはZ5Ⅱをオススメします。
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